北朝鮮による拉致被害 北朝鮮偵察総局

・北朝鮮が日本人の拉致を認めた日朝首脳会談から15年となる9月17日、拉致被害者の家族が集会に出席し、「政府には時間の重みを十分感じてほしい」などと一刻も早い解決を改めて訴えました。政府は拉致問題への取り組みにおいて決して手をこまねいているわけではありませんが、残念ながら成果が出ているとは言い難い状況にあります。被害者ご家族のお気持ちは察するに余りあるものがあります。

・昨今北朝鮮については、核開発や弾道ミサイル開発が耳目を集めていますが、その特殊作戦能力についても大きな関心を寄せる必要があります。日本拉致も特殊作戦を行う組織である「偵察総局」の指揮により実行されたとされています。北朝鮮は建国当初から特殊作戦を重視してきました。韓国国防白書はその特殊戦兵力を約20万あまりに達するとしています、また、ある在韓米軍司令官(陸軍大将)は講演で約6万以上に上ると述べたと言われます。ベールに包まれる特殊作戦部隊だけあって正確な数は不明ですが、北朝鮮が現在も世界最大規模の特殊作戦能力を保有していることは間違いありません。その組織は最近軍の下に統合された「偵察総局」と「軽歩兵教導指導局」の二本柱であり、平時有事の海外秘密作戦、情報収集、戦時戦線後方での偵察、後方かく乱、重要目標の攻撃などあらゆる特殊作戦を遂行できると考えられます。

・偵察総局の活動は国際社会を騒がすものが多く、これまでも1983年の韓国大統領暗殺を企てたラングーン爆破事件や1987年の大航空機爆破テロなどを実行してきたといわれています。最近では2017年2月に発生した最高指導者金正恩第1書記の兄、金正男の暗殺を偵察総局が主導したとされます。1970年代に頻発した日本人拉致もこの偵察総局の前身組織が協力者とともに実行したことはほぼ間違いがないでしょう。

・既に拉致された方々の救出はもちろんですが、今後起こり得る朝鮮半島有事に際して直接的な日本の脅威となり得る北朝鮮の特殊作戦についても備えが必要です。