策源地攻撃能力

・9月10日航空自衛隊三沢基地航空祭にお邪魔しました。新たに着任された鮫島司令(空将補)、かつて一緒に机を並べて勉強させていただいた防大の先輩。人格者かつ大変優秀な方であり、新たに三沢に導入されるF-35Aを迎え入れるにふさわしい補職だと思います。

・さて今回の航空祭、米軍展示コーナーではB-1爆撃やF-35Bも見ることができました。三沢所属のF-16においては対地ミサイル、電子戦ポットを搭載させた対地攻撃フル装備を展示するなど、北朝鮮を意識したものとなっていました。空自と米軍の対地攻撃能力の差を再認識させられました。空自が策源地攻撃能力を保有するためにはまだまだ多くのハードルがあります。保有するにしろ、しないにしろもっと早く政治で議論しておけばと悔やまれます。

・一般的に新たな能力を保有するためには装備の選定、予算化、導入、教育訓練、戦力化(能力保有)といくつかのプロセスがあり、多くの時間を要します。危機が迫ってから議論して決めたのでは後手後手感が否めません。選定作業も時間がなければ米側の言い値で購入しなければならず、高くつく可能性が高いと言えます。イージスアショアも然り。議論を先送りしてきたツケをお金で払っているとも言えます。

・我が国への脅威は北朝鮮だけではありません。予想される脅威から目を背けることなく先手を打って議論することが結局は安全を保障する近道です。