自民党の衆院選政権公約「この国を、守り抜く。」に感じること

 来る第48回衆議院選における自由民主党の公約やキャッチフレーズが明らかになりつつあります。

「この国を、守り抜く。」

 このフレーズ、自由民主党のポスターなどで使われるようです。防衛省に勤務していた私から言わせると、非常に違和感があります。

 

 そもそも、北朝鮮からミサイルを撃たれっぱなしの今の状態は安倍政権にも大きな責任があります。第2次安倍政権が発足してから5年が経とうとしております。この5年間に北朝鮮の核開発や弾道ミサイル開発は大きく進展しました。この状況は日本を含む各国の政府機関によりある程度予想され分析されていたものであり、昨日今日急に勃発した危機ではありません。

 この5年間の安倍政権の外交安全保証分野における無為無策が招いた危機であるといえます。
「戦わずして勝つ」。本来、外交や防衛力整備はこういった危機を未然に防止することを目標とされて行われます。この危機が顕在化していること自体、安倍政権の外交安保政策の失敗を示すものです。

解散によりこの失敗をリセットしようとしているのではないでしょうか。

 

 また、安倍首相は北朝鮮に対する圧力路線を叫んでいます。
ここで注意しなければならないことは、この後に及んでは外交的、経済的「圧力」手段はもはや尽きているということです。残された手段は軍事的圧力。これは日本は何もできません、今の日本にはストライクパッケージを組んで北朝鮮領空内で作戦する能力は実質ありません。

 要するに「圧力」といっても口先だけで具体的には何もできないと言えます。
できることが米国の出方を見守るのみ。こういった国難を生み出したのは安倍首相ご自身であると言わざるを得ません。